2010/07/16

見えないところをきれいにすると、見えるところが光りだす


見えないところをきれいにすると、見えるところが光りだす - 松下幸之助

人生はいろいろだ。だからおもしろい。

本人の「解像度」の高さが、その人のアウトプットの質を決める。

世の中には、みずからトイレ掃除をする社長さんもいますね。
これは一種のおまじないみたいなものでしょう。
松下幸之助の言う、見えないところをきれいにするというのは、顧客に見えない事情を、たとえ知られたとしても恥ずかしくない姿勢で商売しなさいという戒めだと思います。

見えないところにこだわるといえば、APPLEのスティーブ・ジョブズも負けてはいません。
彼はコンピューターの中身の基盤の配線にまで、美しさを求めるのだそうです。
ある日、開発中のノートパソコンを見たスティーブは、エンジニアに
「この配線は汚い。やり直せ」と指示したそうです。
ぎりぎりの設計をしているエンジニアは
「こんなところ、いったい誰が見るんだ!」と反論。
それに対してスティーブは
「僕が見る!」と言ったそうです。

こんな人がCEOだと、まわりは本当に大変だと思いますよ。
人の目に触れないところまでこだわりまくるわけですから、外観のデザインなんかOKが出るまでどれだけ試作品が作られていることやら…

APPLEのプロダクトデザインはジョナサン・アイブ率いるデザインチームの仕事です。
彼らの仕事は、おそらくデザインの歴史に大きな足跡を残すでしょう。
究極のデザインとは、これ以上削るものが無いというところまで、引き算ができているものだといいます。APPLEのプロダクツは機能美の極致とも言えます。

パソコンにしても、スマートフォンにしても、数値的なスペックではAPPLEの製品に勝るものはいくらでもあります。日本のメーカーは、この数値に表せる部分でスペック競争をしますが、カメラが何万画素だろうが、ユーザーの満足度にはあまり関係ないのかもしれません。

美しいものを持つ喜びと、快適な使用感の絶妙なバランスが、いまのAPPLEの最大の強みです。
機械なのに情緒的…
それをアメリカ人にやられちゃってるのが、ちょっぴり悔しい気もしますね。