海のほかは何も見えないときに、陸地がないと考えるのは、けっしてすぐれた探検家ではない
おとなは、だれも、はじめは子どもだった。しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。- サン・テグジュペリ
孫正義さんが、実業という航海には、地図と羅針盤が必要だと言っています。
たしかにそのとおりだと思いますけど、この場合の地図は未来の想像からなる地図であり、羅針盤も未来を指し示すものです。要するに、あまりあてにならない、そう簡単には、そのとおりにならない訳です。
孫さんは地図と羅針盤のほかにも、度胸や運、知恵や努力もあって、いま立派な仕事をされていると思いますよ。
未来への地図、羅針盤だけでは心もとないのですが、どちらも持っていなかったとしても航海だけはしなければならないのが人生です。
なんの準備もしていなくても、生きなければならないのですね。
だったら、できるだけ未来を思い描き(地図を持つ)、そちらに向かって行く(羅針盤を持つ)ほうが、より力強く進んでいけるのは間違いありません。
しかし、長い人生の間には、目標を持てなくなる時期もあるかもしれません。
ただ大海原をさまようような、不安な時間を過ごしたとしても、その先ずっと目標を持てなくなると思わないことです。
人生の目標というと、たいそうに聞こえますが、限りなく「興味」という言葉に近いと思うんですよ。
さまよい始めたら、子どもに戻って好奇心いっぱいに生きてみることです。
「おもしろそう!」と思うことが見つかれば、向かうべき陸地が見えたも同然です。